注意!!
六年は組で現代転生パロっぽいもの 小話とちょっと設定。
OKな人は以下、ずずいーーーっとスクロールどぞ。
* * * * *
「すっっっごいリアルな夢をみた!」
「お前…」
授業終了の鐘が鳴り、教師が去った途端に、伊作が振り向き早口でまくしたてた。
目を輝かせて顔を近づけてくる伊作に、食満は半眼になってあきれた表情をつくる。
教室のど真ん中三列目、一番教師の目に入りやすい場所が伊作の席だ。
よりにもよってその席で堂々とねっこけた揚句、チャイムと同時に目を覚ましての第一声がそれとは。
「よだれ繰って寝てんのは見てたが、夢まで…」
「ちょ、なに言ってるのさ!夢は見てたけどよだれは繰ってないよ!」
「だって起き抜けに慌てて口ぬぐってただろ」
「違う!あれはもし垂れてたら恥ずかしいなと思ったからであってだね、」
「あーはいはい」
「パン食べてないでちゃんと聞いてよ!ていうかまだ一時限目終わったばっかりだよ!?」
「んあっ!返せ俺のあんこ入りコッペパン!」
「あんこ入ってたらコッペパンじゃなくてあんパンだよ!って、そうじゃなくて聞いてってば!」
ものすごい勢いで食満のパンを奪い取り、伊作は言葉を続ける。
「なんと、僕らが忍者してたんだ!」
「……へぇ」
どうだ!といわんばかりの態度の伊作に、食満は極めて冷静に冷めた対応を取った。
なんとかして伊作をなだめないとパンが返ってこない。育ち盛りの胃袋には大打撃である。
「昨日時代劇でも見たのか?」
「生憎昨日は見てないな。そもそも最近の時代劇の大半はミーハー層を狙って迷走してるよね。なめてるとしか思えないよ何あの脚本と演出と殺陣」
「いさ、夢の話は」
「おっと、そうだった。正確には忍者というか忍者のたまごだったんだけどね」
「ふーん」
「忍者の養成学校みたいのがあってさ、僕らはそこの最高学年なんだ」
「僕ら?」
「僕と、留三郎、それとあと、だれだろうなぁ。なんか懐かしい感じがしたんだけど」
「……」
「あ、何だそれって思ってるだろ?僕も分からないんだけどさぁ……」
伊作が台詞を途中で止めて、何処か遠くを見るような眼をする。
首をかしげ、窓の外に視線をやり、少しだけ笑いながら。
「すごく、楽しかったんだ」
「目が覚めたとき、一瞬どっちが現実なのか分からなかったくらいに」
食満に向き直り、おかしいよねぇ、と呟きながら笑う伊作の顔は、少しだけさみしそうで、食満はそれに少しだけ切なくなった。
「……楽しかったならよかったじゃないか」
「うん」
「でもな、今はこっちが現実だってのは分かってるよな?」
「うん…」
うつむき加減に相槌を打つ伊作に、食満は軽くため息をつきながら頭をなでる。
わざとらしくならないように、さりげなく明るい調子で声をかける。
「ならよかった。そもそもいさは忍者に向いてなさそうだしな」
「ちょっと、何その言いぐさ」
「正直に言っただけだろ。今だってしょっちゅうコケたりドブにはまったりチャリに跳ねられたりしているんだ。忍者になったところで、一人で勝手に落と
し穴に転げ落ちるだろうさ」
「くっ…反論できない!」
「そうだろう?諦めろ」
「まぁね、実はさっきの夢でも落とし穴に落っこちてさ。落下する時の浮遊感までリアルだったよ。それで目が覚めたんだけど」
そう言って笑った伊作は、いつものようにのほほんとした顔に戻っていて、食満はやっぱり切なくなった。
始業の鐘が鳴って、担当の教師が教室へはいってくる。
号令の声がかかる直前、こそこそと伊作が声を掛けてきた。
「でもさすがだよね、留。まるで見てきたみたいに言い当てるし」
「そりゃぁ…」
「こりゃ善法寺、前を向かんか」
「あっ!はい!」
「食満も!そのアホみたいにでかいパンをしまいなさい。ったく、まだ二限目だというに」
「ほら留さん、それやっぱり早弁にしても早すぎだよ」
「すいません、成長期なんで」
「はぁ…もういいわい、授業始めるぞー」
号令に沿ってお辞儀をしながら、食満はさりげなくまたため息つく。
首筋に手をやって、じんわりと浮いた汗をぬぐう。
うるさいほど音を立てる心臓を、何とか落ち着かせようと深く息をした。
夢の話だ。今さらこんなことを覚えていたって何になる。
口に出しかけた言葉は呑み込んでしまおう。
今は、室町時代ではないのだから。
(そりゃぁ…六年間ずっと見てたわけだしな)
* * * * *
なんちゃって輪廻転生パロ。
パロディは普通に好きだけど、転生ものとなると大好物になるんだぜ!
ぼく球やらファンチルやらにハマりまくりだもんよ!!そういえばラムネ&40とか遊戯王とかも微妙に輪廻混じりだっけ。
以下どうでもいい設定。
伊作は忘れてて、食満は覚えてる(というか、かなり詳細な夢をよく見てる)。
私立大川学園、は組普通科かな。楽しいクラスにいる。
い組は普通科の中で、学年席次のいい子だけを集めた一組、ろ組は体育科とかそんなあやふやイメージ。
三クラスはあんまり関わりがないから、お互いの認識は薄い。
食満は夢で見た顔まんまの奴らがいる(し、他のメンツは目立つ)から、それとなく探りいれて知ってるかんじ。
なんとなく、「多分夢なんかじゃないんだろうなぁ…」って薄々感づいてる。
仙蔵はたまに妙にリアルな夢を見てて、なんか変じゃね?くらいに思ってる。
もんじと似た人物が登場するんだけどなんなんだ、夢にまで見るくらいアイツが脳内に入り込んできてるとかマジ勘弁とか。
こへは仙蔵よりリアルな夢を見てるけど、映画観てるみたいで面白いなーくらいの認識。
「ちょーじ!今日も夢見たよ!長次と団子食ってた!」とか言う。
長次は食満ほど明確ではないけどよく夢を見ていて、オカルト系の本とか調べて「これかなー…」って考えてる。
わりと小さいころから自覚してたから、大川学園でこへに会って吃驚、他のクラスのメンツ見て二度吃驚。
もんじは伊作と同じく覚えてない。そもそも転生とかオカルトとか「非ぃ科学的だ!」って言いそう。
上の駄文の伊作と食満の会話を廊下を通った仙蔵がちらっと耳にして、伊作の見た夢と自分の夢との符合に気づく。
いい加減不安感もあったことだしとりあえず図書室に直行、心理学から宗教からオカルトまで読み漁ってるのを長次が見かけて「あれは………」みたいな感じに
話が展開すればいいと思うよ。
でもって、食満には溺愛する平太って弟がいて、弟の友達にしんべェと喜三太、喜三太のいとこの兄ちゃんに与四郎は絶対な!!
与四郎は山村家に居候しながら近隣の工業系の専門学校に通ってるとかそんなかんじでひとつ。
で、以下よしけま混入Ver。
与四郎はちょっと覚えてる。けど最後までじゃない。食満はなんとなく覚えてて、与四郎に対してよくわからん恐怖感がある。
卒業してから戦やなんやで色々ごたごたがあったらしい。
転生してるってことは当り前だけどその前に死んでるってことで、どうにも暗くなるから続きとかは考えてないです。