「アッラシッヤマー、受け取り」
廊下でいきなり荒武者に呼び止められ、書類の上に小さめの袋を乗せられた。
両手はその書類で塞がっているため、袋の中身はわからない。
いぶかしんでコージを見ると、何やら満面の笑みを浮かべていた。
「なんですのん、これ」
「ポケット〇ンスターじゃが」
「昔なつかすの金銀リメイク版で、それはソウルシ〇バーだべ」
「なんと今回はお気に入りのポケモンを連れて歩けるポケウォ〇カー付きだっちゃ」
アラシヤマが問えば、コージが答え、その後ろから顔を出したミヤギとトットリが補足する。
どうやら二人は先程から居たのだが、コージに隠れて見えていなかったようだ。
とりあえず疑問は解消されたものの、それは更なる疑問を呼ぶわけで。
「はぁ…なしてまたわてに?」
続けて問えば、三人は顔を見合わせてため息をついた。
「今日はオメの誕生日だべ」
「へ…? はぁ、そういえば……」
「ついでに言うとポ〇モンの発売日だっちゃ」
「…それがどないしましたん?」
「シンタローもなぁ、ポケ〇ン買っとったぞ。コタロー様と一緒に通信するとか」
「………あんさんら、何が言いたいんどすか」
「「「混ざって来りゃええべ/いいっちゃ/えーじゃろ?」」」
次の瞬間、廊下には三人の姿しか残っておらず、総帥室から怒声と爆音が響いたという。
※ ※ ※
「あー、これでまた暫くは休めるべ」
「さっきまでの買い物もサボりと言えばサボりだけんどもねぇ」
「わしらが残しとった書類もアラシヤマが全部片付けたみたいじゃしのぉ」
「んじゃ、グンマ博士も誘ってド〇クエさするべ」
「あ、僕まだメタル狩りしとらんっちゃわいや」
「ほいじゃぁ今日はトットリんとこ行くかぁ」
そして、グンマも交えてゲームを始めた伊達衆が、キンタローに叱られて廊下で正座をさせられるのはその一時間後になるのだった。
※ ※ ※
アラシヤマ誕生日小説。
兼 、
小袋怪獣の発売を記念して。 (09.9.13. 生存確認ページに書いてた文)